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『ホリミヤ』書影

ホリミヤ

学校では見せない「もう一つの顔」から始まる青春ラブコメ

ラブコメ青春アニメ化

『ホリミヤ』は、HEROのweb漫画「堀さんと宮村くん」を萩原ダイスケの作画でリメイクした学園ラブコメです。 スクールカースト上位の堀さんと、教室の隅の根暗メガネ・宮村。 互いの「学校では見せない顔」を知ってしまった二人の関係は、 全16巻かけて、漫画史でも指折りの健やかさで育っていきます。

作品情報

作者HERO(原作)・萩原ダイスケ(作画)
出版社スクウェア・エニックス
掲載誌月刊Gファンタジー(2011年11月号〜2021年4月号)
巻数全16巻(完結) ※完結後の番外編集『ホリミヤ 17 A piece of memories』あり
原作HEROのweb漫画「堀さんと宮村くん」(単行本 全10巻)
メディア化TVアニメ(2021年、2023年)・実写ドラマ・実写映画

あらすじ

成績優秀で友達も多く、教室ではいつも輪の中心にいる堀京子。 そんな彼女には、誰にも言えない秘密があります。 共働きの親に代わって家事をこなし、幼い弟・創太の面倒を見ること── 放課後の堀は、学校で見せる華やかな顔とはまるで別人の「家庭の人」なのです。

ある日、弟を家まで送り届けてくれたのは、 長髪にピアスをいくつも開けた、見るからに近寄りがたい青年でした。 礼を言おうとした堀は、その顔に見覚えがあることに気づきます。 彼は同じクラスの、前髪で目を隠した地味な眼鏡男子・宮村伊澄だったのです。

学校の顔と、家の顔。見せていなかった素顔を交換してしまった二人は、 秘密を共有する関係から少しずつ距離を縮めていきます。 大きな事件も、意地の悪いすれ違いも起こらない。 それでも石川や吉川といった友人たちを巻き込みながら、 二人の関係は確実に、そして健やかに変わっていきます。

主な登場人物

堀京子(ほり きょうこ)成績優秀で華やかな人気者。家では弟の世話と家事に追われる、隠れ家庭派。
宮村伊澄(みやむら いずみ)学校では地味な眼鏡男子。実はピアスとタトゥーを隠す長髪の青年で、中学時代の孤独を抱えている。
石川透(いしかわ とおる)宮村の親友になるクラスメイト。気のいい兄貴分で、友情パートの要。
吉川由紀(よしかわ ゆき)堀の親友。マイペースに見えて繊細な、群像パートの人気キャラクター。
井浦秀(いうら しゅう)堀たちのクラスメイト。明るく天真爛漫で、輪の空気を軽くする役回りを担う。
堀創太(ほり そうた)堀の弟。宮村に懐いており、二人の出会いのきっかけを作った張本人。

見どころ

本作の美点は、恋愛の「じれったさ」を引き延ばさないことです。 付き合うまでではなく「付き合ってから」を丁寧に描き、 誤解やすれ違いより、素直な会話と日常の積み重ねで関係が深まっていく。 読んでいてストレスがない、それでいて退屈しないラブコメの理想形です。

宮村というキャラクターの再生の物語としても一級です。 孤独だった中学時代の回想と、「今」の居場所の対比は本作屈指の名エピソードで、 タイトルの二人以外の友人たち(石川、吉川、井浦ら)の群像も それぞれに愛おしい。読後、人に優しくなれるタイプの青春漫画です。

リメイクという成り立ちも、本作にとっては強みでした。 HEROがweb上で10年近くかけて積み上げた「堀さんと宮村くん」の膨大なエピソードを、 萩原ダイスケの作画で月刊Gファンタジー用に構成し直したのが『ホリミヤ』です。 原作の空気を保ったまま、コマ運びと表情の解像度だけが跳ね上がっている── だから短いギャグの一コマにも、10年分の蓄積の重みがあります。

ここが推せる 「秘密の共有」から始まる関係の心地よさ。誰も意地悪をしないのに面白い──ラブコメの新しいスタンダードを作った全16巻です。

結末・ラストはどうなる?

本編は全16巻で完結しています。誰かが不幸になる展開も、最後をひっくり返すどんでん返しもありません。 高校三年間の終わり──卒業式まできっちり描き切り、二人と友人たちのその先を静かに肯定して幕を下ろす、 きわめて後味のよい終わり方です。「ラブコメの畳み方のお手本」と言われるのはこの着地のためです。

結末のネタバレを表示する

物語の終盤、雪の降る帰り道で「卒業しても一緒にいたい」と告げた堀に、宮村がプロポーズをします。 最終16巻では卒業式が描かれ、生徒会長・仙石の答辞を宮村が茶化して怒られるという、 いかにも本作らしい一幕も。ラストは宮村のモノローグで締めくくられ、 堀と出会って自分がどう変わったのかを振り返りながら、 「これからもずっと一緒だ」と思える二人の姿を残して物語は終わります。 なお結婚後の暮らしまでは本編で描かれず、HEROによるweb版の番外編で断片的に触れられています。

アニメ・実写版との違い

TVアニメ第1期は2021年1月から4月にかけてCloverWorks制作で全13話が放送され、 原作を再構成しながら卒業までを一気に描き切りました。 その分、尺の都合で省かれた日常エピソードも多く、そこを補完するために作られたのが 2023年7月から9月に放送された第2期『ホリミヤ -piece-』(全13話)です。 「1期で描かれなかった原作エピソードを主体とする」という珍しい成り立ちのシリーズで、 原作を知っているほど嬉しい作りになっています。

実写版は2021年に、MBS・TBSの「ドラマイズム」枠で全7話のドラマが放送されました。 並行して劇場版も2021年2月5日に公開されており、監督は松本花奈、 宮村役を鈴鹿央士、堀役を久保田紗友が演じています。 ただし劇場版はドラマ第1〜3話に撮り下ろしのシーンを加えた再構成版なので、 物語を最後まで追いたい場合は原作かアニメを選ぶのが確実です。

こんな人におすすめ

  • ストレスのない両想いラブコメを読みたい人
  • 「付き合ってから」を描く物語が好きな人
  • 完結済みの学園ものを一気読みしたい人

よくある質問

原作の「堀さんと宮村くん」との違いは?
本作はweb版を新規作画でリメイクしたものです。物語の骨格は共通ですが、独立して楽しめます。本編完結後の番外編は『ホリミヤ -piece-』としてアニメ化もされました。
何巻で完結?
全16巻で完結済みです。卒業までしっかり描き切る結末は、ラブコメの畳み方のお手本と名高いです。
アニメはどこまで描かれている?
2021年のTVアニメは本編の主要な物語を卒業まで描き切っています。2023年の『ホリミヤ -piece-』は、1作目で描かれなかったエピソードを補完するシリーズです。原作にはさらに細やかな日常回が多数あるので、アニメ視聴済みでも楽しめます。
実写版はある?
2021年に実写ドラマと実写映画が公開されています。まずは原作かアニメから入るのがおすすめです。
アニメと漫画、どちらから入るのがいい?
どちらからでも大丈夫です。アニメ第1期は原作を再構成して卒業まで描き切っているので、全13話で全体像を掴んでから原作で細かいエピソードを補完する、という順番も相性がいいです。逆に漫画から入る場合も、1巻あたりの読み口が軽くテンポがよいため、全16巻という長さは思ったほど負担になりません。
17巻があると聞いたけれど、本編は何巻まで?
本編は第16巻で完結しています。第17巻『A piece of memories』(2023年7月発売)は完結後にまとめられた一冊で、描き下ろしと単行本未収録の番外編を収録したおまけ巻です。本編を読み終えてから手に取って問題ありません。
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