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『GANTZ』書影

GANTZ

死んだはずの二人が「星人狩り」を強制されるデスゲームの原点

SFダーク実写映画化

『GANTZ』は、2000年から13年間ヤングジャンプで連載された奥浩哉の代表作です。 死んだ人間が黒い球「ガンツ」に転送され、「星人狩り」を強制される── 今や定番となったデスゲームものの型を作り上げた作品であり、 CG併用の作画が生む生々しい質感は、連載開始から四半世紀経っても他に代わりがありません。

作品情報

作者奥浩哉
出版社集英社
掲載誌週刊ヤングジャンプ(2000年31号〜2013年29号)
巻数全37巻(完結)
メディア化TVアニメ(2004年)・実写映画2部作(2011年)・CGアニメ映画「GANTZ:O」(2016年)

あらすじ

地下鉄のホームから転落した男を助けようとして、線路に飛び降りた高校生・玄野計と加藤勝。 二人は電車に轢かれて死にます。しかし次の瞬間、気がつくと彼らは 東京のマンションの一室にいました。何の変哲もない部屋の真ん中には、 黒くて巨大な球体が、ただ鎮座しているだけです。

球体「ガンツ」は集められた死者たちに黒いスーツと未知の武器を与え、 「星人」と呼ばれる存在を制限時間内に抹殺しろと命じます。 拒否権はありません。ミッションで死ねば、今度こそ本当に死ぬ。 逃げてもスーツごと頭が吹き飛ぶ。生き延びて星人を倒せば点数が加算され、 累計100点に達した者は、記憶を消して解放されるか、より強力な武器を得るか、 死んだ誰か一人を生き返らせるか──その三択を突きつけられます。

朝が来れば学校があり、コンビニがあり、友人がいる。 その日常と地続きの場所に、抗いようのない地獄が口を開けている。 何者でもなかった玄野は、理不尽な戦いを繰り返すうちに、 この世界を生き抜くための「強さ」を、望むと望まざるとにかかわらず獲得していきます。

主な登場人物

玄野計(くろの けい)本作の主人公。私立勢綾高校の1年生。当初は周囲を見下すだけの平凡な少年だったが、ミッションを重ねる中でチームを率いる存在へと変貌していく。
加藤勝(かとう まさる)玄野の幼なじみで、もう一人の主人公格。正義感が強く心優しい少年。人を見捨てられない性格が、時に自分とチームを追い詰める。
岸本恵(きしもと けい)自ら命を絶とうとしてガンツ部屋に召集された女子高生。初期メンバーの一人で、序盤のヒロイン格。
小島多恵(こじま たえ)玄野と同じ勢綾高校の生徒。地味で内向的な絵の好きな少女で、ガンツのメンバーではないが、玄野にとって最も大切な存在になっていく。
西丈一郎(にし じょういちろう)中学2年生ながらガンツ部屋の古参メンバー。ルールを熟知し、情報サイトも運営する。徹底して自分の生存を優先する冷徹な少年。
下平玲花(しもひら れいか)人気グラビアアイドル。玄野への想いを支えに戦闘技術を磨き、チームの主戦力の一人へと成長する。

見どころ

本作の恐ろしさは、死の軽さと重さの落差にあります。 ついさっきまで軽口を叩いていた登場人物が、容赦なく、あっけなく死ぬ。 3D背景と写実的な人物が生む「実写のような画面」がその生々しさを支えており、 大阪編の狂騒はシリーズの完成度が頂点に達した名エピソードとして語り草です。

単なる残酷ショーで終わらないのは、玄野計という主人公の成長が背骨にあるからです。 何者でもなかった少年が、戦いの中でしか自分を肯定できないことの寂しさごと描かれ、 物語は最終盤、地球規模のカタストロフィへ雪崩れ込みます。 全37巻で明確に完結している点も、いま一気読みする価値を高めています。

ここが推せる 「デスゲームもの」というジャンルの原点にして、いまだ頂点。生と死の理不尽を真正面から描き切った37巻です。

結末・ラストはどうなる?

『GANTZ』は全37巻できっちり完結しています。 ただし終盤は、東京の一室で星人を狩るという当初の枠を大きく飛び越え、 地球規模のカタストロフィへと物語が拡大していきます。 この振り切った終わり方は評価が真っ二つに割れる部分でもあり、 「風呂敷を畳んだ」と評価する声と「広げすぎた」と嘆く声が今も並んでいます。 ただ、序盤から積み上げてきた玄野と加藤の関係に決着をつけるという一点においては、 最後まで一貫している作品です。

結末のネタバレを表示する

最後のミッションを終えた直後、世界が赤く染まり、巨人族による全世界規模の侵略が始まります(カタストロフィ編)。 玄野は捕らえられた多恵を救う過程で、初めて星人と意思疎通を果たします。 そして自爆覚悟の星人から名指しで決闘を挑まれ、最後の戦いに向かうことに。 加藤たちの援護を受けながら、玄野は星人の額に自ら突撃して止めを刺しますが、 残った星人が自決して自爆装置を作動させてしまいます。 転送が間に合わず、玄野と加藤は飛行ユニットで脱出し、浜辺に漂着。 意識が遠のく二人を、玄野は多恵が、加藤は弟の歩が抱き支える── そこで物語は幕を閉じます。

アニメ・実写版との違い

2004年のTVアニメはGONZO制作・板野一郎監督で、 フジテレビの「the first stage」とAT-Xの「the second stage」を合わせて全26話。 原作の序盤にあたる玉ねぎ星人編からオニ星人編までを映像化しています。 放送当時は原作がまだ連載中だったため終盤はアニメオリジナルの展開になっており、 原作の結末を知ることはできません。

実写版は佐藤信介監督による2部作で、『GANTZ』(2011年1月29日公開)と 『GANTZ PERFECT ANSWER』(同年4月23日公開)。玄野計を二宮和也、加藤勝を松山ケンイチ、 小島多恵を吉高由里子、西丈一郎を本郷奏多が演じました。 こちらも原作をそのままなぞるのではなく、後編は独自の結末に着地します。

原作ファンからの評価がとりわけ高いのがフル3DCGアニメ映画『GANTZ:O』(2016年)で、 こちらは原作屈指の名エピソードとされる「大阪編」を映像化したものです。 ぬらりひょんら妖怪をかたどった星人との市街戦を、 原作のCG併用作画とも相性のよいフル3DCGで描き切っています。 いずれにせよ、物語の結末まで描かれているのは原作漫画だけです。

こんな人におすすめ

  • デスゲーム・サバイバル系の原点を読みたい人
  • 実写のような質感の作画に浸りたい人
  • 完結済みの長編を一気読みしたい人

よくある質問

残酷描写やお色気はどの程度?
どちらも相当に直接的です。青年誌の中でも刺激は強めなので、耐性がない人には向きませんが、描写に必然性はあります。
映画やアニメから入っても大丈夫?
問題ありませんが、実写映画・アニメとも原作の序盤〜中盤の再構成です。物語の結末まで描かれているのは原作だけです。
37巻は長い。どこまで読めば面白さがわかる?
まずは初期のミッションが一区切りする序盤を読んでみて、「星人狩り」のルールと死の軽さに引き込まれるかどうかで判断できます。そのうえで一つの山場として名前が挙がるのが中盤の大阪編で、ここはシリーズの完成度が頂点に達したと評されるパートです。ここまで来たらそのまま最終巻まで走り切れます。
今から読み始めても楽しめる?
楽しめます。2000年連載開始の作品ですが、CG併用の作画が生む質感は今でも古びておらず、むしろ「デスゲームものの原点はこれか」と確認しながら読めるのが現在の強みです。累計発行部数も2400万部を超えており(2021年11月時点)、電子でも全巻揃うため一気読みしやすい環境が整っています。
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