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『GIANT KILLING』第70巻の書影

GIANT KILLING

弱小クラブが強豪を喰う、頭脳派サッカー漫画の金字塔

サッカー監督目線アニメ化

『GIANT KILLING』は、モーニング連載、ツジトモ(作画)・綱本将也(原案)によるサッカー漫画です。 主人公は選手ではなく監督。弱小クラブを率いて格上を喰う「ジャイアントキリング」を 戦術と采配で成し遂げていく群像劇で、選手個人の成長ではなく チーム全体・クラブ・サポーターまでを描く視点の広さが唯一無二です。

作品情報

作者ツジトモ(作画)・綱本将也(原案)
出版社講談社
巻数既刊70巻(連載中)
掲載誌モーニング
メディア化TVアニメ(2010年)

あらすじ

かつてETUのスター選手として君臨した達海猛は、 引退後イングランドの下部リーグクラブを指揮して結果を残し、古巣の監督として帰国します。 しかし達海が去ったあとのETUは、一度は2部へ落ち、 1部に戻ったいまも毎年のように残留争いを続ける低迷クラブ。 待っていたのは、心が離れたサポーターと、バラバラなチームでした。

達海がまず手を付けるのは、補強でも根性論でもありません。 いまいるメンバーの「使い方」です。伸び悩む若手を思いがけない役割で使い、 ベテランの矜持をあえて逆撫でし、相手監督の癖を読んで試合中に手を打ち替える。 選手個々の能力よりも素材の組み合わせを重視する采配と、 時に非常識とも思える戦術・心理戦で、弱者が強者を喰う番狂わせを起こしていきます。

描かれるのはピッチの上だけではありません。 勝てないチームに毎試合ゴール裏から声を送り続けるサポーター、 経営とチーム強化の板挟みになるフロント、 番狂わせを追いかける記者やテレビ解説者── ETUというクラブに関わるすべての人間の視点が入れ替わり立ち替わり登場し、 一つの試合が何倍にも厚みを増していきます。 Jリーグを模した舞台設定のリアリティも本作の大きな武器です。

主な登場人物

達海猛(たつみ たけし)主人公。ETUの新監督。かつてのクラブのスター選手で、型破りな采配と挑発的な言動で番狂わせを仕掛ける。
椿大介(つばき だいすけ)背番号7のMF。自信を持てずにいた俊足の若手で、達海に潜在能力を見出され、チームの武器へと急成長していく。
村越茂幸(むらこし しげゆき)背番号6のMFで、ETUのキャプテン。低迷期もクラブを支え続け、達海への反発と信頼の間で揺れるベテラン。
ジーノ(ルイジ吉田)背番号10のMF。「王子様」気質の天才プレーメーカーで、気分屋だが、そのパスはETUの攻撃の生命線。
世良恭平(せら きょうへい)背番号20のFW。小柄ながらスピードと運動量で相手守備をかき回す、前線の起点役。
黒田一樹(くろだ かずき)背番号2のDF。体格には恵まれないが、闘志を前面に出した激しい守備でゴール前を締める。

見どころ

本作最大の発明は、監督の頭の中で進む采配と読み合いを可視化したことです。 フォーメーション図、選手交代の意図、相手監督との駆け引き── 試合が「選手の身体能力の勝負」ではなく「情報戦」として描かれ、 Jリーグ観戦がもう一段深く楽しめるようになる解説力があります。

達海猛という主人公の食えなさも本作の魅力です。 突然監督が消えたり、非常識な采配で選手を試したり── カリスマと胡散臭さが同居する人物造形は、 「勝つために何をするか分からない」緊張感を常に生み出します。 サポーター・フロント・記者まで含めたクラブ全体の群像劇としての厚みも随一です。

ここが推せる 選手ではなく監督が主人公という一点の発明で、サッカー漫画に新しい戦術眼を持ち込みました。既刊70巻、2007年から続く長寿連載でも勢いは衰えません。

現在の連載状況

『GIANT KILLING』は2007年に『モーニング』で連載を開始し、2026年8月現在も連載中です。 単行本は2026年7月22日発売の70巻が最新刊。 19年におよぶ長期連載ですが、物語はシーズンを積み重ねる形で進み、 達海が率いるETUがリーグの中でどこまで登り詰められるのかという軸はぶれていません。 椿をはじめ、序盤で「使えない若手」だった選手たちが主力として計算される立場に変わっていく変化も、 長く読んできた読者にとっての大きな楽しみになっています。

アニメ版との違い

TVアニメは2010年4月4日から9月26日にかけて全26話が放送されました (アニメーション制作:スタジオディーン、NHK BS2ほか)。 達海の監督就任からETU再建の序盤までを、原作の流れに沿って映像化しています。 2026年8月時点で続編アニメの発表は確認できていないため、 アニメの続きが気になった人は原作を読むしかありません。 戦術図やフォーメーションの解説は原作の図版のほうが情報量が多く、 じっくり読み込みたい人にはやはり漫画版が向いています。

こんな人におすすめ

  • 監督目線・戦術系のスポーツ漫画を読みたい人
  • Jリーグ観戦がもっと面白くなるヒントが欲しい人
  • 『アオアシ』『ブルーロック』の次を探している人

よくある質問

サッカーの戦術に詳しくなくても読める?
読めます。フォーメーションや采配意図は作中で丁寧に説明され、むしろサッカー観戦の解像度を上げてくれる作品です。
70巻あるけどどこから読めばいい?
1巻からどうぞ。達海の監督就任からETUの再建までを追う中盤(10巻あたり)までで、本作の面白さの核はしっかり味わえます。
完結している?最新刊は何巻?
連載中です。2007年から『モーニング』(講談社)で続いており、単行本は2026年7月22日発売の70巻が最新刊です。
アニメと漫画、どちらから入るべき?
アニメは全26話(2010年放送・制作はスタジオディーン)で、テンポよく世界観をつかむには最適です。ただし続編アニメの発表はなく、物語の大部分は原作にしかありません。腰を据えて読むつもりなら最初から漫画で、雰囲気を試したいならアニメから、という選び方がおすすめです。
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