ゴールデンゴールド
小さな願いが島を欲望で満たす民俗ホラー
『ゴールデンゴールド』は、『刻刻』の堀尾省太が描く民俗ホラーです。 瀬戸内の島に「フクノカミ」が現れ、島が豊かになっていく── ただそれだけのことが、なぜこんなに怖いのか。 マンガ大賞に複数年ノミネートされた、じわじわ系ホラーの最高峰です。
作品情報
| 作者 | 堀尾省太 |
|---|---|
| 出版社 | 講談社(モーニング・ツー連載) |
| 巻数 | 既刊9巻(長期休載中) |
| 受賞 | マンガ大賞2019 ノミネート(複数年ノミネート) |
あらすじ
福の神の伝説が残る瀬戸内の根子島に暮らす中学生の少女・早坂ルッカ。 ある日、海辺で不思議な人形を見つけて持ち帰り、山の祠に安置して願い事をします。 すると「福の神」に似た奇妙な存在が、彼女の前に現れます。
フクノカミが取り憑いた場所には、確かに富がもたらされます。 祖母の商店は繁盛し、島には活気が戻り始めますが── 幼馴染を島に留めたいというルッカの小さな願いから始まった変化は、 やがて島全体を静かな欲望で満たしていきます。
見どころ
「願いを叶える福の神」というモチーフを、心温まる話ではなく 人間の欲望を炙り出すホラーとして描く発想の転換が秀逸です。 フクノカミは何も語らず、何も強制しません。ただ、富に触れた人間が 自分から変わっていく。その描写の解像度が恐ろしいのです。
島の方言、商店の帳簿、親戚づきあい──『刻刻』でも光った堀尾省太の 生活描写のリアリティが、超常の存在にかえって説得力を与えています。 ページをめくるほど背筋が冷たくなる、「静かな恐怖」の傑作です。
こんな人におすすめ
- 民俗学的な題材のホラーが好きな人
- 閉鎖的なコミュニティを舞台にした物語が好きな人
- 人間の欲望を描くじわじわ系の作品が好きな人
- 『刻刻』など堀尾省太作品のファン
よくある質問
- 驚かせる系のホラーですか?
- いいえ。ショック描写はほぼなく、日常が少しずつ歪んでいく違和感で怖がらせるタイプです。ホラーが苦手でも読める人が多いです。
- 『刻刻』とどちらから読むべき?
- 独立した作品なのでどちらでも。完結済みをまず読みたいなら『刻刻』、不穏さをじっくり味わいたいなら本作からどうぞ。