富江
殺されても甦る美少女、伊藤潤二デビューの不朽のホラー
『富江』は、伊藤潤二のデビュー作にして代表作の一つとなったホラー連作短編です。 殺されても、切り刻まれても、必ず甦る美少女・富江を中心に据え、 「不死」という設定を恐怖として反転させた発想の勝利で、 楳図かずお賞を受賞、実写映画シリーズも多数製作されました。
作品情報
| 作者 | 伊藤潤二 |
|---|---|
| 出版社 | 朝日ソノラマ |
| 巻数 | 全2巻(完結) ※文庫版・完全版など複数刊行 |
| 受賞 | 楳図かずお賞 |
| メディア化 | 実写映画シリーズ多数 |
あらすじ
絶世の美貌を持つ少女・富江。彼女に関わった人間は、 嫉妬や執着から彼女を殺してしまいますが、 切断された富江の肉片の一つひとつから、新たな富江が再生してしまいます。 富江に魅入られた者たちは、狂気に駆られて殺人を繰り返し、 殺しても殺しても増殖していく富江に、 次第に精神を蝕まれていきます。舞台や登場人物を変えながら、 富江という「呪い」がもたらす悲劇が連作として描かれます。
見どころ
本作の恐怖の核心は、「殺しても死なない」相手への絶望感です。 通常のホラーが持つ「倒せば終わる」というカタルシスを完全に封じ、 富江を殺すたびに増えていくという構造は、 読者に逃げ場のない閉塞感を与え続けます。
そして富江というキャラクターの、絶対的な魅力と悪意の同居も本作の凄みです。 彼女自身が能動的に人を狂わせるわけではなく、 ただそこにいるだけで人間の嫉妬・執着・欲望を引き出してしまう存在として描かれ、 「美とは何か」「愛とは何か」を問う不条理な寓話としても読めます。
こんな人におすすめ
- 伊藤潤二作品の入口を探している人
- 美少女ホラーという逆説的なジャンルに興味がある人
- 実写映画シリーズから原作に興味を持った人
よくある質問
- どの話から読んでも大丈夫?
- 連作短編形式なので基本的にどこからでも読めますが、富江という存在の全体像を掴むには1巻から通して読むのがおすすめです。
- 実写映画版との関係は?
- 実写映画シリーズは複数製作されており、それぞれ独自の脚色がされています。原作は短編集としてより多様な富江のエピソードが読めます。