おすすめマンガ紹介
『機動警察パトレイバー』書影

機動警察パトレイバー

巨大ロボットが働く近未来、警察組織のお仕事コメディ×SF

メカSFアニメ化

『機動警察パトレイバー』は、『週刊少年サンデー』で1988年から1994年まで連載された ゆうきまさみによるメカSF漫画です。巨大ロボット「レイバー」が建設や災害対応など 日常業務に使われる近未来を舞台に、それを悪用した犯罪に対応する 警視庁特車二課の面々を描く、お仕事コメディとSFを融合させた異色作。 第36回小学館漫画賞を受賞し、全22巻で完結しています。

作品情報

作者ゆうきまさみ
出版社小学館
巻数全22巻(完結)
掲載誌週刊少年サンデー(1988年17号〜1994年23号)
原案ヘッドギア(ゆうきまさみ・出渕裕・高田明美・伊藤和典・押井守)
受賞第36回小学館漫画賞 少年部門
メディア化OVA(1988年〜)/ TVアニメ(1989年〜)/ 劇場版3作(1989年・1993年・2002年)/ 実写『THE NEXT GENERATION』(2014〜2015年)

📖 Amazonで『機動警察パトレイバー』1巻を見る

あらすじ

21世紀初頭、労働用ロボット「レイバー」が普及した東京。 レイバーを使った凶悪犯罪に対応するため、警視庁は 特殊車両二課(特車二課)を設立します。 天然ボケで抜けているがレイバー操縦の腕は確かな泉野明を筆頭に、 個性豊かな隊員たちが、最新鋭のパトロールレイバー「イングラム」を駆り、 巨大ロボットが絡む事件の数々に対応していきます。

一話完結の事件を積み重ねながら、物語の縦軸となるのが シャフト・エンタープライズの内海が率いる企画7課と、 彼らが開発した黒いレイバー「グリフォン」です。 遊び半分で特車二課に挑戦を仕掛けてくる内海と、 イングラムを「アルフォンス」と呼んで愛する野明の対決が、 笑いの多い作品に静かな緊張感を通していきます。

主な登場人物

泉野明(いずみ のあ)主人公。レイバー「イングラム」を愛する特車二課の婦警。機体に「アルフォンス」と名付けるほどの機械好き。
篠原遊馬(しのはら あすま)野明の相棒でイングラムの指揮担当。レイバーメーカーの御曹司。
後藤喜一(ごとう きいち)特車二課第2小隊の隊長。昼行灯を装う切れ者で、本作屈指の人気キャラクター。
南雲しのぶ(なぐも しのぶ)第1小隊の隊長。後藤とは対照的な生真面目なエリートで、特車二課の良心。
太田功(おおた いさお)第2小隊のもう一人のイングラム操縦担当。熱血すぎて何でも撃ちたがるトラブルメーカー。
香貫花・クランシー(かぬか・クランシー)ニューヨーク市警からの研修生。冷静沈着な射撃の名手で、第2小隊に欠かせない存在となる。
榊清太郎(さかき せいたろう)整備班長。「整備の神様」と呼ばれ、イングラムを支える裏方の要。
内海(うつみ)シャフト・エンタープライズ企画7課課長。グリフォンを操って特車二課に挑む、本作最大の敵。

見どころ

本作最大の魅力は、「巨大ロボットもの」を職場コメディとして描いたことです。 燃料切れ、整備不良、上司との人間関係── 華々しい戦闘より「働くこと」のリアルな苦労が中心に描かれ、 メカSFに全く新しい角度からの面白さを持ち込みました。

一方で、押井守が手掛けたOVA・劇場版シリーズは、 原作のコメディ色を離れ、より哲学的・サスペンスフルな 作品として展開されました。原作漫画とアニメ版、 それぞれ異なる魅力を持つ「パトレイバー」の広がりも本作の面白さです。

原作漫画ならではの読みどころは、グリフォン編を軸にした長編構成です。 OVAやアニメが基本的にエピソード単位なのに対し、 漫画版は内海と企画7課、そしてグリフォンの操縦者である少年バドの物語を 連載6年かけてじっくり積み上げ、特車二課の「日常」の積み重ねが 最終決戦の重みにつながるという、漫画版だけの構成を持っています。

ここが推せる 「巨大ロボット×お仕事コメディ」という組み合わせの発明。メカSFに新しい角度を持ち込んだ、ゆうきまさみの代表作です。

結末・ラストはどうなる?

結末のネタバレを表示する

物語の最終局面は、グリフォンと特車二課の最後の対決です。 野明の操るイングラムは、ついにグリフォンを打ち倒します。 追い詰められた内海は、第1小隊の熊耳武緒を人質に取って逃走し、 海外へ逃れるため船に向かいます。

しかし出航直前、内海はジェイクに刺され、命を落とします。 事件の決着後、後日談として熊耳やバドのその後が描かれ、 特車二課はまた「いつもの日常」へ戻っていきます。 巨大な陰謀ではなく、一人の愉快犯の遊びが幕を閉じる── 派手さを抑えた、本作らしい結末です。

アニメ・実写版について

『パトレイバー』は漫画とアニメが同時進行で企画された「メディアミックス」作品で、 原案は漫画家のゆうきまさみ、メカデザインの出渕裕、キャラクターデザインの高田明美、 脚本の伊藤和典、監督の押井守からなるグループ「ヘッドギア」です。 OVA第1作が1988年4月、TVアニメが1989年10月から放送され、 押井守監督の劇場版は1989年の第1作と1993年の『劇場版2』で特に高い評価を受けました。

2002年には『WXIII 機動警察パトレイバー』が公開され、 2014年から2015年には実写シリーズ『THE NEXT GENERATION パトレイバー』も製作されています。 漫画版とアニメ版は設定や登場人物を共有しつつ、ストーリーは別物なので、両方楽しめます。

こんな人におすすめ

  • メカ・ロボットものだけどコメディも楽しみたい人
  • お仕事漫画としてのSFを読みたい人
  • 押井守版アニメから原作に興味を持った人
  • 『攻殻機動隊』『PSYCHO-PASS』など「組織もの」のSFが好きな人

よくある質問

アニメ版と原作、どちらから見るべき?
どちらからでも。原作はよりコメディ寄り、押井守が手掛けたOVA・劇場版はより哲学的な作風です。両方見比べる楽しみもあります。
ロボットものに詳しくなくても楽しめる?
楽しめます。レイバーの仕組みは職場の道具として自然に描かれ、専門知識がなくても人間関係のドラマとして十分楽しめます。
漫画版とアニメ版でストーリーは同じ?
違います。登場人物と世界観は共通ですが、漫画版はグリフォン編を軸にした独自の長編で、アニメ版とは別の物語として完結しています。
古い作品ですが今読んでも大丈夫?
大丈夫です。「ロボットが普及した近未来の職場」という設定は、今読むとむしろリアルに感じられるはずです。
📖 マンガ紹介一覧へ戻る