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『宇宙兄弟』書影

宇宙兄弟

大人になってから夢を追い直す物語

宇宙完結済アニメ・映画化

『宇宙兄弟』は、小山宙哉が描く「大人の夢」の物語です。 無職になった30代の兄が、月にいる弟を追って宇宙飛行士を目指す── この設定だけで泣ける本作は講談社漫画賞・小学館漫画賞を同じ年にダブル受賞し、 アニメ化・小栗旬主演の実写映画化もされた、『モーニング』の看板作でした。 2007年12月に始まった連載は2026年6月、全432話で完結。 単行本は全46巻、累計発行部数は3500万部を超えています(2026年4月時点、電子含む)。

作品情報

作者小山宙哉
出版社講談社
掲載誌モーニング(2008年1号〜2026年28号)
巻数全46巻(完結・全432話。最終46巻は2026年7月22日発売)
累計発行部数3500万部突破(2026年4月時点、電子含む)
受賞第56回小学館漫画賞一般向け部門・第35回講談社漫画賞一般部門(ともに2011年)
メディア化TVアニメ(2012〜14年・全99話)、実写映画(2012年)、アニメ映画『宇宙兄弟#0』(2014年)

あらすじ

幼い頃、「二人で宇宙飛行士になろう」と約束した南波兄弟。 弟の日々人は約束どおり宇宙飛行士になり、月を目指すエリートに。 一方、兄の六太は会社をクビになり無職に転落します。 どん底の六太のもとに届いたのは、JAXAの宇宙飛行士選抜試験の書類選考通過の知らせ。 30歳を過ぎた兄の、遅すぎるかもしれない挑戦が始まります。

密室での選抜試験、宇宙飛行士候補生としての訓練、そして月へ──。 六太が一歩ずつ進む一方で、先に月へ降り立った日々人にも大きな試練が待っています。 兄弟それぞれの挑戦が交差しながら、物語は18年かけて「月」へと向かっていきます。

主な登場人物

南波六太(なんば むった)主人公。天然パーマの兄。会社をクビになった後、弟を追って宇宙飛行士を目指す。慎重で理屈っぽいが、土壇場での機転と発想力を持つ。
南波日々人(なんば ひびと)六太の弟。兄より先に宇宙飛行士となり、日本人として初めて月面に立つ。明るく大胆で、兄とは対照的な性格。
伊東せりか六太と同期の宇宙飛行士候補生。医師の資格を持ち、父を亡くした病(ALS)の研究を宇宙で行うことを目指す。
星加正(ほしか ただし)JAXAの職員で、六太の選抜試験に関わる人物。六太の可能性を早くから見抜く。
シャロン南波兄弟が幼い頃から慕う天文学者。二人に宇宙への夢を与えた恩人で、物語を通じて兄弟を見守る。
ケンジ・新田・北村六太と同じ選抜試験を勝ち抜いた同期の候補生たち。それぞれの事情を抱えながら、六太とともに宇宙を目指す。

見どころ

本作の主役は「大人の夢」です。若さも才能の証明もない六太が、 へこみながら、屁理屈をこねながら、それでも一歩ずつ進んでいく姿は、 働く大人ほど胸に来るはず。密室で行われる選抜試験編の心理戦は、 漫画史に残る面白さと断言できます。

宇宙開発の描写も本格派で、訓練、打ち上げ、月面でのミッションまで、 取材に裏打ちされたリアリティが物語を支えます。 そして名言の多さも本作の魅力。「本気の失敗には価値がある」── 六太たちの言葉に何度も背中を押されます。 宇宙を夢見る物語が好きなら、『ありす、宇宙までも』とあわせてどうぞ。

18年半・全432話という長さは、六太一人の物語ではなく、 日々人、せりか、同期の候補生たち、シャロンといった登場人物一人ひとりの人生を 描き切るために使われています。誰かの夢が叶う裏で、誰かの夢が形を変えていく── 群像劇としての厚みが、最終盤の感動を支えています。

ここが推せる 「夢を追うのに遅すぎることはない」を説教ではなく物語で証明してくれる。疲れた社会人の栄養剤として、これ以上の漫画はなかなかありません。

結末・ラストはどうなる?

2026年6月11日発売の『モーニング』28号に最終話「弟 日々人と兄 六太」が掲載され、 連載開始から約18年半で完結しました。最終話のタイトルが示すとおり、 物語は最後まで「兄弟」に立ち返って幕を閉じます。

結末のネタバレを表示する

月からの帰還中、六太は宇宙船間の移動に失敗して宇宙空間に投げ出されてしまいます。 決死の救出ミッションに挑んだのは弟の日々人。兄を救い出した二人はソユーズで地球に生還し、 家族や仲間たちと再会します。 ラストシーンは、退院を前にした二人が自転車で宮古島を駆け抜ける場面。 幼い日に約束を交わした兄弟が、月を経て、また二人で並んで走るところで物語は終わります。

アニメ・実写版について

TVアニメは2012年4月1日から2014年3月22日まで読売テレビ・日本テレビ系で放送され、全99話。 アニメーション制作はA-1 Picturesです。 2014年8月9日には劇場アニメ『宇宙兄弟#0(ナンバー・ゼロ)』が公開されました。 原作者・小山宙哉が脚本を書き下ろし、六太と日々人が宇宙飛行士になる前の物語を描いた 「エピソード・ゼロ」で、監督はTVアニメと同じ渡辺歩です。

実写映画は2012年5月5日公開。監督は森義隆、六太役を小栗旬、日々人役を岡田将生が演じました。 原作の序盤をベースにした作品なので、映画から入った人は原作の続きを読むと 選抜試験以降の長い旅を丸ごと楽しめます。

こんな人におすすめ

  • 仕事や人生に少し疲れている社会人
  • 宇宙・ロケット・月面探査にわくわくする人
  • 兄弟・家族の物語に弱い人
  • 完結した長編を最初から最後まで一気に読みたい人

よくある質問

宇宙の専門知識がなくても読めますか?
読めます。六太と一緒に訓練や試験を経験していく構成なので、知識ゼロからでも自然に宇宙開発の世界に入れます。
巻数が多くて迷っています。
まず選抜試験編(序盤数巻)だけでも読んでみてください。そこで刺されば、あとは止まらなくなります。
完結していますか?
2026年6月に本誌連載が完結し、最終46巻が2026年7月22日に発売されました。全46巻で最後まで読めます。
アニメは原作のどこまで?
TVアニメ全99話は原作の途中までで、月面ミッションの後半や完結までは描かれていません。アニメの続きは原作でお楽しみください。
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