流浪の月
流浪の月
「誘拐犯」と呼ばれた二人が、世間の目の中で選び直す関係
本屋大賞第17回映画化
『流浪の月』は、幼い頃に大学生の男性に誘拐されたと報じられた女性・更紗と、 「誘拐犯」とされた男性・文が、大人になって再会したことから 始まる物語です。世間のレッテルと二人だけの真実を対比させた、第17回本屋大賞受賞作。
作品情報
| 著者 | 凪良ゆう |
|---|---|
| 出版社 | 東京創元社(創元文庫) |
| 受賞 | 第17回本屋大賞(2020年) |
| 刊行 | 2019年(創元文庫2022年) |
| メディア化 | 映画化(2022年) |
あらすじ
小学生だった更紗は、家に居場所がなく、公園で出会った大学生の 文の部屋で一緒に過ごすようになります。しかしある日その事実が 発覚し、文は「誘拐犯」として逮捕、更紗は「被害者」として 世間から憐れみと好奇の目を向けられ続けることに。 大人になった更紗はある日、カフェの店員として働く文と偶然再会します。 世間が決めつける「加害者」と「被害者」の物語ではない、 二人だけの関係を取り戻せるのか──。
見どころ
本作の核心は、世間が勝手に貼ったレッテルと、当事者だけが知る 真実との間の断絶です。「誘拐」という言葉だけで判断される二人の関係を、 読者は次第に単純な加害・被害の図式では捉えられなくなっていきます。
更紗と文、それぞれの視点から語られる構成により、 二人が世間の善意や好奇心にどれほど傷つけられてきたかが 浮き彫りになります。「普通」から外れた関係性を否定せず描き切る、 著者の誠実な筆致が光る一作です。
ここが推せる
レッテルを貼りたがる社会の残酷さと、それでも守りたい関係の尊さ。読後、「普通」の物差しを疑いたくなる一冊です。
こんな人におすすめ
- 社会的な偏見や「普通」からの逸脱をテーマにした物語に関心がある人
- 単純な善悪では割り切れない人間関係を描く小説が好きな人
- 静かだが芯の強い文体を求めている人
よくある質問
- センシティブなテーマですが読んでも大丈夫ですか?
- 誘拐報道という重いテーマですが、扇情的な描写は避けられており、二人の心情に寄り添う静かな筆致で描かれています。
- 恋愛小説として読めますか?
- 一般的な恋愛小説の枠には収まらない関係性を描いており、既存のジャンルにとらわれず読んでほしい作品です。