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『そして、バトンは渡された』書影

そして、バトンは渡された

血の繋がらない親から親へ、たすきのように託されて育った少女

本屋大賞第16回家族映画化

『そして、バトンは渡された』は、実の親の再婚・離婚のたびに 「親」が入れ替わっていった女子高生・優子の視点から、 血の繋がりを越えた家族の形を描く物語です。第16回本屋大賞受賞。

作品情報

著者瀬尾まいこ
出版社文藝春秋(文春文庫)
受賞第16回本屋大賞(2019年)
刊行2018年(文春文庫2020年)
メディア化映画化(2021年)

あらすじ

森宮優子は、実母の死後、父が再婚した継母・梨花が再婚を繰り返すうちに、 血の繋がらない「親」が何人も入れ替わってきたという、 少し変わった家族関係の中で育ってきました。今の「父」である森宮さんとの 暮らしも、実の親子ではありません。傍目には可哀想に見える境遇のはずが、 優子自身は驚くほど屈託なく、それぞれの親から注がれた愛情を 振り返りながら、自分の来し方を語っていきます。

主な登場人物

森宮優子(もりみや ゆうこ)主人公。血の繋がらない親の間をリレーされ、名字が4回変わった女子高生。それでも「不幸」とは無縁に育った。
森宮さん現在の父。血縁はないが、優子のために朝食を作り続ける不器用な理系男。
梨花(りか)優子の人生を大きく動かす自由奔放な母。その選択の意味が終盤で明かされる。

見どころ

「かわいそう」に見える境遇を、当事者の優子が少しも悲劇として 語らない点が本作最大の仕掛けです。読者が抱く先入観を 優しく裏切りながら、血縁によらない家族の温かさを説得力を持って 描き出しています。

時系列を行き来しながら明かされていく、それぞれの「親」が 優子に注いだ不器用な愛情のエピソードも読みどころです。 誰も血の繋がった親子のように振る舞おうとせず、 それぞれのやり方で優子を大切にする姿に温かい涙がこぼれます。

ここが推せる 「かわいそう」を「幸せ」に反転させる語り口の巧みさ。血縁を越えた家族の絆を描く、優しい読後感の物語です。

こんな人におすすめ

  • 家族の形は一つではないと感じさせる物語が好きな人
  • 重いテーマを軽やかな筆致で読ませる小説を求めている人
  • 涙腺が緩む、温かい読後感の小説を探している人

よくある質問

重い家庭環境の話で辛くなりませんか?
設定自体は複雑な家庭環境ですが、優子の明るく前向きな語り口のおかげで、読後感は非常に温かいものになっています。
時系列は分かりやすいですか?
過去と現在を行き来する構成ですが、章立てが明確で読みやすく工夫されています。
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