(2026年8月22日 更新)
『舟を編む』は、出版社の辞書編集部を舞台に、 不器用ながら言葉への情熱を持つ青年・馬締光也が、 新しい辞書『大渡海』の完成を目指す15年間を描いたお仕事小説です。
作品情報
| 著者 | 三浦しをん |
|---|---|
| 出版社 | 光文社(光文社文庫) |
| 受賞 | 第9回本屋大賞(2012年) |
| 刊行 | 2011年(光文社文庫2015年) |
| メディア化 | 映画化(2013年、日本アカデミー賞最優秀作品賞)・TVアニメ(2016年)・ドラマ(2024年、NHK) |
あらすじ
言葉への異常なまでのこだわりを持ちながら、人付き合いは苦手な馬締光也は、 営業部から辞書編集部へ異動になります。個性的な先輩・編集者たちと共に、 新しい国語辞典『大渡海』の編纂という、気の遠くなるような作業に 取り組むことに。膨大な言葉を一つひとつ吟味し、用例を集め、 紙の質まで検討する地道な日々を通じて、馬締は不器用なりに 人との関わり方も少しずつ学んでいきます。
主な登場人物
| 馬締光也(まじめ みつや) | 主人公。言葉への執着と不器用さを併せ持つ辞書編集者。 |
|---|---|
| 西岡正志(にしおか まさし) | 軽薄に見えて実は有能な同僚。馬締と対照的な「伝える力」の人。 |
| 林香具矢(はやし かぐや) | 板前を目指すヒロイン。馬締の恋の相手。 |
| 松本先生 | 新しい国語辞典『大渡海』に人生を捧げる老監修者。 |
見どころ
辞書作りという地味に思われがちな仕事の裏側を、 圧倒的な取材と筆力で「知的な冒険」として描き切っているのが本作の凄みです。 一つの言葉の意味を確定させるまでの気の遠くなるような検討過程は、 読んでいて言葉そのものへの見方が変わります。
15年という長い時間軸を、馬締の不器用な恋愛や人間的成長と 重ね合わせて描く構成も秀逸です。地味な仕事に情熱を注ぐ人々への 敬意に満ちた眼差しが、静かな熱量となって物語全体を支えています。
ここが推せる
地味な仕事にこそドラマがあると教えてくれる一冊。読み終えた後、何気なく使っている「言葉」への愛着が増します。
こんな人におすすめ
- 仕事に情熱を注ぐ人々の群像劇が好きな人
- 言葉や辞書、本づくりに興味がある人
- 派手さはないが温かい読後感の小説を求めている人
よくある質問
- 専門的すぎて難しくないですか?
- 辞書編纂の専門的な工程も出てきますが、平易な文章で丁寧に説明されており、予備知識がなくても楽しく読めます。
- 恋愛要素はありますか?
- 馬締の不器用な恋愛模様も物語の重要な軸の一つですが、あくまで「仕事」がメインテーマの作品です。
