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『さよなら絵梨』書影

さよなら絵梨

現実と創作が交錯する映画青春譚

🎗️ マンガ大賞2023 第7位 1冊完結

『さよなら絵梨』は、『チェンソーマン』の藤本タツキが2022年4月11日に「少年ジャンプ+」で公開した全200ページの長編読切です。 『ルックバック』に続く長編読切として公開されるや世界中で話題となり、 同年7月に単行本化。マンガ大賞2023では第7位に選ばれました。 映画的なコマ割りと大胆な仕掛けで、「読む」というより「観る」に近い体験を味わえる1冊です。

作品情報

作者藤本タツキ
出版社集英社(ジャンプコミックスPLUS)
巻数全1巻(約200ページの読切)
掲載少年ジャンプ+(2022年4月11日公開)
単行本2022年7月発売
受賞マンガ大賞2023 第7位

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あらすじ

「私が死ぬまでを撮ってほしい」という病の母の願いから始まった、 優太によるスマートフォンでの映画制作。しかし完成した映画は文化祭で酷評され、 絶望した優太は自殺しようと病院の屋上へ向かいます。 そこで出会ったのが、謎めいた美少女・絵梨でした。 「もう一本、映画を作ろう」──絵梨に導かれ、優太は再びカメラを回し始めます。 しかし絵梨もまた、ある秘密を抱えていました。

二人は映画を見まくり、撮影の準備を進め、絵梨を主役にしたドキュメンタリーを撮り始めます。 カメラ越しに絵梨を見つめ続けるうちに、優太は撮る者と撮られる者の関係、 そして「記録すること」と「作ること」の違いに向き合っていくことになります。

主な登場人物

伊藤優太(いとう ゆうた)主人公の少年。母の最期をスマホで撮り続けたことから、映画作りと向き合うことになる。
絵梨(えり)優太の前に現れる謎めいた少女。彼の映画を絶賛し、二人で一本の映画を作り始める。

見どころ

ほぼ全編が「固定カメラ」のような均一のコマ割りで進む、映画の文法を漫画に 移植した実験的な構成が本作の骨格です。どこまでが現実で、どこからが優太の「映画」なのか── 現実と創作の境界が幾重にも入れ替わり、読むたびに見え方が変わります。

大切な人の記憶を「編集」することは欺瞞なのか、救いなのか。 創作をめぐるこの問いに、藤本タツキは爆発的なラスト1ページで答えます。 読後、最初のページに戻りたくなることを保証します。

映画の画面や絵コンテを思わせる横長のコマが整然と並ぶ構成は、 優太が撮った「映画」を観ている感覚を生み出しています。 ページをめくる行為そのものが映像を観る体験に変わっていく── 漫画という表現の可能性を広げた一作です。

ここが推せる 読み終えた瞬間に「本当は何が真実だったのか」を考えたくなる、大胆で挑戦的な構成の妙。

藤本タツキの長編読切について

藤本タツキは『チェンソーマン』第1部の完結後、「少年ジャンプ+」で 2021年に『ルックバック』、2022年に本作と、長編の読切を続けて発表しました。 どちらも「創作すること」をテーマにしながら、 『ルックバック』が漫画家の物語なのに対し、本作は映画を撮る少年の物語。 2作を続けて読むと、作者が「作ること」の喜びと痛みをどう見つめているかが立体的に見えてきます。

こんな人におすすめ

  • 藤本タツキ作品(『チェンソーマン』『ルックバック』)のファン
  • 読後に考察したくなるメタフィクション的な作品が好きな人
  • 創作・映画制作に関わる人
  • 短時間で濃密な読書体験をしたい人

よくある質問

『ルックバック』とどちらから読むべき?
独立した作品なのでどちらでも。より素直に泣けるのは『ルックバック』、より仕掛けが大胆なのが本作です。
1回読んだだけでは分からないと聞きました。
それこそが本作の設計です。2周目には別の物語が見えてくるので、ぜひ読み返してください。
どのくらいで読めますか?
全200ページの読切1冊なので、1時間ほどで読み切れます。ただし読み返したくなる作品なので、時間には余裕を持って読むのがおすすめです。
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