バガボンド
井上雄彦が描く宮本武蔵、「強さとは何か」の求道
『バガボンド』は、『スラムダンク』の井上雄彦が吉川英治の小説「宮本武蔵」を原作に描く剣豪漫画です。 「天下無双」を求めて斬り続けた男が、やがて「強さとは何か」という問いそのものに向き合っていく。 筆で描かれる圧巻の画とともに、休載中の今なお読み継がれる作品です。
作品情報
| 作者 | 井上雄彦 |
|---|---|
| 出版社 | 講談社 |
| 巻数 | 既刊37巻(休載中) |
| 原作 | 吉川英治「宮本武蔵」 |
| 受賞 | 講談社漫画賞・手塚治虫文化賞ほか |
あらすじ
関ヶ原の合戦で敗残兵となった17歳の新免武蔵(たけぞう)は、 故郷で追われる身となりながら、沢庵和尚との出会いを経て「宮本武蔵」として生き直すことを選びます。 吉岡一門、宝蔵院、柳生──名だたる流派に挑み「天下無双」へ近づくほどに、 武蔵の中で「強さ」の意味は揺らいでいきます。もう一人の天才、 佐々木小次郎の物語が並走し、二人の運命は巌流島へ向かって収束していきます。
見どころ
連載中盤から筆で描かれるようになった画は、漫画表現の一つの到達点です。 斬り合いの緊張、雨、土、人の顔に刻まれる時間──「上手い」を通り越して、 ページをめくる手が止まる瞬間が何度も訪れます。 聾唖の剣士として再解釈された佐々木小次郎編は、賛否を呼びながらも 本作でしか読めない美しさに満ちています。
後半の農耕編では、武蔵は剣を置いて田を耕します。 「斬る」ことでしか自分を証明できなかった男が「生かす」側に立つこの転回は、 スポーツの勝敗を描き切った井上雄彦だからこそ辿り着いた境地で、 単なる剣豪もののスケールを完全に超えています。
こんな人におすすめ
- 『スラムダンク』の井上雄彦の別の到達点を見たい人
- 時代劇・剣豪ものが好きな人
- 画力で圧倒される読書体験をしたい人
よくある質問
- 休載中でも読み始めて大丈夫?
- 大丈夫です。小次郎編・農耕編など大きな物語のまとまりごとに深い読後感があり、既刊37巻だけでも十分に満たされます。
- 原作小説を読んでいなくても平気?
- まったく問題ありません。吉川英治版を下敷きにしつつ、キャラクター解釈は井上雄彦の完全なオリジナルです。