クロスゲーム
あの夏の約束を、四姉妹と甲子園へ──あだち充の到達点
『クロスゲーム』は、2005年から10年に週刊少年サンデーで連載された、あだち充の野球漫画です。 『タッチ』から四半世紀を経て、名手が再び「喪失と甲子園」に挑んだ本作は、 小学館漫画賞を受賞し、「あだち充の技術がいちばん完成された作品」として タッチと並び称されています。
作品情報
| 作者 | あだち充 |
|---|---|
| 出版社 | 小学館 |
| 巻数 | 全17巻(完結) |
| 受賞 | 小学館漫画賞 |
| メディア化 | TVアニメ(2009〜10年) |
あらすじ
スポーツ用品店の息子・樹多村光(コウ)と、隣のバッティングセンターの月島家の四姉妹。 コウと同じ誕生日の次女・若葉は、いつも当たり前のようにコウの隣にいました。 「若葉の夢」──それは、コウが甲子園のマウンドで投げる姿でした。 小学5年の夏に訪れる大きな別れを経て、物語は数年後へ。 若葉の夢を知る三女・青葉と、野球と正面から向き合い始めたコウ。 反発し合う二人は、同じ夢を背負っていることに気づいていきます。
見どころ
本作は、1巻の締め方が漫画史級です。日常の描写を丁寧に積んだ末に訪れる出来事と、 その描き方の「静けさ」は、あだち充の省略の美学の到達点で、 1巻だけで一つの短編映画のような完成度があります。 ここを読むためだけでも手に取る価値があります。
そして青葉というヒロインの造形。コウを認めない、口の悪い野球少女が、 少しずつ隣を許していく過程は、恋愛感情を「好き」という言葉をほぼ使わずに描き切ります。 タッチより短い全17巻に、喪失・野球・恋・家族のすべてが 過不足なく収まっており、あだち充入門としても最適解です。
こんな人におすすめ
- 『タッチ』が好きだった人
- 全17巻で完結する野球×青春の名作を探している人
- あだち充を初めて読む人
よくある質問
- 『タッチ』と似ている?
- 主題は重なりますが、味わいは別物です。喪失の描き方はより静かに、ヒロインとの関係はより意地の張り合いに。比べ読みすると名手の進化がわかります。
- どの版で読める?
- 単行本全17巻のほか、ワイド版・Kindle版が刊行されています。