攻殻機動隊
電脳化社会を1989年に描き切った、サイバーパンクの聖典
『攻殻機動隊』は、1989年に発表された士郎正宗のSF漫画です。 脳をネットワークに直結する「電脳化」、身体を機械に置き換える「義体化」が 普及した近未来を、インターネット普及前に描き切った驚異の作品で、 押井守の劇場アニメ、「S.A.C.」シリーズ、ハリウッド実写版と、 世界のSF映像の源流であり続けています。
作品情報
| 作者 | 士郎正宗 |
|---|---|
| 出版社 | 講談社 |
| 巻数 | 全1巻(完結) ※続編「1.5」「2」あり |
| メディア化 | 劇場アニメ(1995年、押井守監督)・TVシリーズ「S.A.C.」ほか・ハリウッド実写映画(2017年) |
あらすじ
21世紀前半、電脳化と義体化が進んだ日本。 公安9課、通称「攻殻機動隊」は、全身義体のサイボーグ・草薙素子を現場のリーダーに、 電脳犯罪やテロを実力で解決する攻性の組織です。 ゴーストハック、義体乗っ取り、政治の闇──数々の事件を追ううち、 素子は他人の電脳を自在に渡り歩く謎のハッカー「人形使い」と遭遇し、 「生命とは何か」という問いに直面します。
見どころ
まず驚くべきはその予見性です。ネットに常時接続された脳、記憶の改竄、 AIの自我──1989年の時点でこれらを理詰めで描き、 欄外の膨大な注釈で技術的裏付けまで語り尽くしています。 この注釈の情報密度こそ士郎正宗の真骨頂で、本編と注釈で二度読める作品です。
映像化作品との違いも楽しみどころです。原作の素子は映画版よりずっと陽気で軽口が多く、 9課の空気もコミカル。それでいて人形使いとの対話など核心部の哲学は原作が最も濃く、 押井版・S.A.C.・ARISEがそれぞれ原作のどこを拡大したのかが見えてきます。 全1巻で読み切れるのに、読後の情報量は長編級です。
こんな人におすすめ
- SF・サイバーパンクの必修科目を押さえたい人
- 押井守版やS.A.C.のファン
- 注釈まで読み込む密度の高い読書が好きな人
よくある質問
- 映画やアニメを見ていれば原作は不要?
- いいえ。素子のキャラクター、9課のコメディ調の空気、注釈の技術考証など、原作にしかない要素が大量にあります。映像版の元ネタ探しとしても一級です。
- 続編はある?
- 「攻殻機動隊1.5」(未収録エピソード集)と「攻殻機動隊2」(素子のその後を描く高密度な続編)があります。まずは本編1巻からどうぞ。