ひゃくえむ。
「速さ」に取り憑かれた者たちの100m疾走劇
『ひゃくえむ。』は、『チ。―地球の運動について―』の魚豊による連載デビュー作です。 「100m走」というたった10秒の世界に、人生の全部を賭ける者たちの 狂気と祈りを描いた本作は、2025年の劇場アニメ化で再評価が一気に加速。 全3巻で完結済みの、魚豊哲学の原点です。
作品情報
| 作者 | 魚豊 |
|---|---|
| 出版社 | 小学館(裏サンデー連載) |
| 巻数 | 全3巻(完結) ※新装版は上下巻 |
| メディア化 | 劇場アニメ化(2025年) |
あらすじ
生まれつき、100mを誰よりも速く走れる少年トガシ。 「速く走れさえすれば、友達も、居場所も、全部解決する」── その万能感を握りしめて生きる彼の前に、家庭の事情を抱え、 走ることに追い詰められるように縋る転校生・小宮が現れます。
天賦の才を持つ者と、走らなければ壊れてしまう者。 小学生だった二人の出会いから、物語は時を跳び、高校、そしてその先へ。 100mに取り憑かれた者たちの人生が、スタートラインで何度も交差していきます。
見どころ
本作の主役は「速さ」そのものです。たった10秒で決着し、言い訳の余地が一切ない 100mという競技の残酷な純度を、魚豊は哲学の域まで掘り下げます。 「才能とは」「なぜ走るのか」という問いに向き合うモノローグの鋭さは、 後の『チ。』を知る読者なら唸ること必至です。
荒削りながら疾走感に満ちた線、ページをめくる速度まで支配するコマ割り── デビュー作とは思えない画面の熱量も見どころです。 トガシと小宮、対照的な二人がそれぞれの「走る理由」に辿り着くラストまで、 全3巻を一気に駆け抜けてください。
こんな人におすすめ
- 『チ。―地球の運動について―』で魚豊にハマった人
- 陸上・スプリント競技の緊張感が好きな人
- 「才能と努力」を突き詰める物語が好きな人
- 劇場アニメから原作に興味を持った人
よくある質問
- 『チ。』とどちらから読むべきですか?
- どちらからでも大丈夫です。「何かに人生を賭ける人間」という共通のテーマを、本作は身体で、『チ。』は知性で描いています。
- 陸上競技を知らなくても楽しめますか?
- 楽しめます。ルールは「速く走った者が勝ち」だけ。だからこそ、走る理由という内面のドラマに没入できます。