ほっとする日常系漫画のおすすめ6選
疲れた日に効く癒やしの名作たち
「何も起きない」のに、なぜか読む手が止まらない
世界の命運も、命がけのバトルもなし。ご飯を食べて、散歩をして、 くだらないことで笑って一日が終わる──そんな「日常」を描いただけの漫画が、 なぜこんなに面白いのか。それは、優れた日常系漫画が 「なんでもない毎日こそが一番の宝物だ」という発見を毎話くれるからだと思っています。
今回は、疲れた日の寝る前に読んでほしい6作品を選びました。 展開に追われないので、どこから読んでも、どこで寝落ちしても大丈夫。 ハラハラする漫画の合間の「箸休め」としても優秀です。
心がほぐれるおすすめの日常系漫画6選
よつばと!(既刊15巻)
5歳の女の子・よつばが、引っ越し先の町で毎日を全力で生きる。 あらすじはそれだけなのに、日常系漫画の頂点と呼ばれ続ける作品です。 よつばの目を通すと、段ボールも、セミ取りも、牧場も、全部が大冒険になる。 「今日はいちにち楽しかったなー」という読後感を、これほど確実にくれる漫画は他にありません。 大人が読むほど沁みる、常備薬のような一作。
それでも町は廻っている(全16巻)
下町の商店街にある、おばあちゃんが営む喫茶店。そこでメイドとして働く(?) 探偵好きの女子高生・嵐山歩鳥の日常を描く連作です。 ただの日常ものと思って読むと、SF、ミステリー、ときどきホラーと 一話ごとに味が変わり、時系列シャッフルの仕掛けまで隠れている食わせ者。 笑って読み終えたあとに「あの話とこの話が繋がってた!」と気づく 再読の楽しさは、日常系漫画随一です。
ハクメイとミコチ(既刊)
身長9センチの小人、ハクメイとミコチ。森の大樹に住むふたりの、 仕事とごはんとお出かけの日々を描くファンタジー日常譚です。 小人サイズだから、木の実はごちそうで、雨粒は脅威で、イタチは乗り物。 緻密に描き込まれた「小さな世界の暮らし」のディテールは、 眺めているだけで時間が溶けます。1話完結でどこから読んでもよく、 寝る前の1話に最適な「絵本のような漫画」です。
となりの関くん(全14巻)
授業中、隣の席の関くんはいつも何かで遊んでいる。消しゴムのドミノ、将棋の駒の壮大なドラマ、 机上のロボット家族──それを横目で見てしまい、勝手にハラハラして、 勝手に授業に集中できなくなる横井さん。基本的にこの繰り返しだけで全14巻、 ずっと面白いのだから恐ろしい作品です。 セリフのほとんどが横井さんの心の声というサイレント・コメディの発明品。 学校という日常の中の「小さな非日常」を極めた一作です。
ひらやすみ(既刊)
29歳フリーターの生田ヒロトは、仲良くなったおばあちゃんから平屋を譲り受け、 美大生のいとこ・なつみと暮らし始めます。 焦らない、競わない、でも人生と向き合っていないわけじゃない。 「頑張らない生き方」を肯定してくれる大人のための日常漫画で、 読むと肩の力がすっと抜けます。阿佐ヶ谷の町の描写も心地よく、 疲れた社会人にこそ効く一作。マンガ大賞2022ノミネート作品です。
きのう何食べた?(既刊)
几帳面な弁護士のシロさんと、人当たりのいい美容師のケンジ。 ゲイカップルふたりの日常を、毎話の夕食の献立とともに描く料理漫画です。 月の食費2万5千円をやりくりする自炊描写はレシピとして実用レベルで、 読むと本当に作りたくなります。 食卓を囲む日々の積み重ねがそのまま人生になっていく── 20年近く続く連載を通して「ふたりの老い」まで描かれる、日常系の到達点のひとつです。
ほかにも: 疲れた日に効く日常系の名作
- 深夜食堂(安倍夜郎) ─ 真夜中だけ開くめしや。一品の料理と一人の客の人生を描く連作。
- 聖☆おにいさん(中村光) ─ ブッダとイエスの立川ルームシェア。ゆるさの殿堂。
- 山賊ダイアリー(岡本健太郎・全7巻) ─ 漫画家兼猟師のリアル狩猟日常記。ジビエ飯が旨そう。
- 花のズボラ飯(久住昌之・水沢悦子) ─ ズボラなのに旨そうなひとりごはん。自炊のハードルが下がります。
- 海街diary(吉田秋生・全9巻) ─ 鎌倉の四姉妹の四季。少ししんみり、でも温かい。
- ヨコハマ買い出し紀行(芦奈野ひとし・全14巻) ─ 終末後の世界をロボットの店主が生きる「静けさ」の金字塔。