グルメ漫画のおすすめ6選
深夜に読んではいけない飯テロの名作たち
味も匂いもしないのに、腹が減る
漫画のごはんには味も匂いもありません。それなのに、 名作グルメ漫画のページをめくると確実にお腹が空く。 湯気の線、咀嚼のコマ、食べた人の顔──作家たちが磨き上げた「うまそう」の表現は、 もはや日本漫画の伝統芸能です。
今回は自炊もの、深夜メシ、ファンタジー飯、狩猟メシまで、 方向性の違う「飯テロ」6作品を選びました。 空腹時の閲覧は本当に危険なので、何か食べてから読んでください。
お腹が空くおすすめのグルメ漫画6選
ダンジョン飯(全14巻)
歩き茸の軸は根本がうまい。大サソリは鍋にすると出汁が出る。 ──存在しないはずのモンスター料理が、調理工程の説得力だけで 「絶対うまいやつ」に見えてくる奇跡の漫画です。 妹を救うためモンスターを食べながらダンジョンを進むという設定が、 終盤「食べることは生きること」という壮大なテーマに着地する構成も見事。 ファンタジーとグルメ、両ジャンルの頂点に同時に立つ全14巻です。
きのう何食べた?(既刊)
弁護士のシロさんと美容師のケンジ、ふたりの食卓を彩る自炊めしの数々。 本作のレシピ描写は「実際に作れる」レベルで具体的で、 読みながら脳内で買い物リストができあがります。 鮭とごぼうの炊き込みご飯、明太子サワークリームディップ── 今夜のおかずに迷ったら開く「レシピ本」として機能しつつ、 食卓の積み重ねがそのまま二人の人生になっていく物語としても一級品。 ドラマ化もされた、生活系グルメ漫画の到達点です。
深夜食堂(既刊)
営業は深夜0時から朝7時まで。メニューは豚汁定食だけ、 でも「できるものなら何でも作るよ」が流儀の、新宿の路地裏の小さなめしや。 赤いウインナー、バターライス、猫まんま──ここで出てくるのは 高級料理ではなく、誰かの記憶と結びついた「あの味」ばかりです。 一品の料理と一人の客の人生を重ねる一話完結の名人芸は、 国内外でドラマ化されて愛され続けています。 夜中に読むと、猛烈に何か温かいものが食べたくなるので注意。
山賊ダイアリー(全7巻)
漫画家にして現役の猟師である作者が、岡山の山で獲って食べた日々を描く実録記。 スズメバチの子の炊き込みご飯、カラスの味、イノシシの脂の甘さ── スーパーには並ばない「野生の味」のレポートは、好奇心と食欲を同時に刺激します。 命を獲って食べることへの誠実な距離感が心地よく、 説教くさくならずに「いただきます」の意味を考えさせてくれる全7巻。 アウトドア好き、ジビエ好きにはたまらない一作です。
トリコ(全43巻)
世界の富の大半を「食」が動かすグルメ時代。 美食屋トリコが、人生のフルコースを完成させるため、 伝説の食材を求めて危険地帯へ突き進みます。 虹の実、ジュエルミート、GODと呼ばれる究極食材── 少年漫画のインフレを「食材のうまさ」でやるという発想が痛快で、 食材のスケールが上がるほど腹が減るという稀有な体験ができます。 王道バトルとグルメの幸福な結婚、全43巻の大作です。
ドカ食いダイスキ!もちづきさん(既刊)
OLもちづきさんの生きがいは、限界までのドカ食い。 袋麺2個にバターとチーズ、白米にすき焼きのタレ── 「体に悪いとわかっているのに、うまい」の背徳を全力で肯定する怪作です。 血糖値の上昇を多幸感として描く演出はもはやホラーすれすれ。 それでも読むと無性に何かをドカ食いしたくなる、 現代の食欲をえぐる問題作にして、SNSで一大ブームを巻き起こした話題作です。 良い子は真似せず、フィクションとして味わいましょう。
ほかにも: 腹ペコ必至の名作
- 花のズボラ飯(久住昌之・水沢悦子) ─ ズボラなのに旨そうなひとりめし。ハードル最低の自炊入門。
- 高杉さん家のおべんとう(柳原望) ─ お弁当が紡ぐ疑似家族の物語。
- もやしもん(石川雅之) ─ 菌が見える農大生。発酵食品の見方が変わります。
- 空挺ドラゴンズ(桑原太矩) ─ 龍を狩って捌いて食べる。ファンタジー飯の美食路線。
- ダンピアのおいしい冒険(トマトスープ) ─ 17世紀の海賊博物学者が世界を食べ歩く史実ベースの冒険飯。
- 銀の匙 Silver Spoon(荒川弘) ─ 農業高校の「作って食べる」がぎっしり。ベーコン作りは必見。